歯の治療の中に 冠(クラウン)を被せる という処置があります
クラウンは歯を筒状に削ります
↓
イメージとしてはお茶筒と蓋のような関係で
筒状にした歯の上に、歯の形をした冠を被せます
さて神経を取るほど大きなむし歯がある歯の場合
筒の横や上から穴があいていている場合があります
このような場合は足りない部分をレジンや金属などで補修します
このケースではレジンを使用しましたが
このような補修部分をコアといいます
歯が崩壊して、表面上にあまり歯が残っていない場合…
この上にコアをつけても取れてしまいそうです
このような時にはポスト(支柱)を入れます
このケースではラバーダムをしました
これは唾液で濡れるのを防ぐためです
根の中にポストをたててセメントで接着します
グラスファイバーポストを使用しました
その上にコアを築造します
これで筒の出来上がりです
この上にクラウンを被せます
ポストには金属やセラミック、グラスファイバー
コアには金属やセラミック、レジンなどが使用されます
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クラウンを被せる土台はお茶筒のような形態に仕上げます
この時にむし歯や神経の治療などで歯がなくなっている部分があります
そこはポストやコアで補います
自分の歯の部分が多い歯と少ない歯とではどちらが安定して長持ちするかというと
当然歯がしっかり残っている方が長持ちします
上の写真ではA→B→Cの順にしっかりしています
特にAやBとCでは土台の安定度が違います
上の写真の歯は神経を取った歯にクラウンを装着しておりますが
クラウンを被せる部分に健康な象牙質がどれくらい残っているかが重要です
この場合は 被せる土台の象牙質がかなり残っています
この場合は 被せるクラウンが象牙質を部分的に覆うような形態になっています
この場合は 被せるクラウンは大部分がコアとだけ接触しています
Cのような場合 咬む力が加わると
クサビを打ち込むような働きが生じて
ポストが緩んで脱落したり
歯根が割れるような力が働くことがあります
AやBの場合は
象牙質を クラウンが抱え込んでいるので
割れる力を抑えることができると考えられています
このように象牙質をクラウンが取り囲んで
歯が割れるのを抑えるような効果をフェルール効果(ferrule effect)といいます
このフェルールが有るか無いかでその歯の安定性が大きく違ってきます
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神経を取った歯にクラウンを被せる時は
歯を筒状に削って仕上げます
歯ぐきより上に出ている健康な象牙質が少ない場合
ポストを利用してコアを作ります
さてポストは ① 型を取って金属を鋳造する オーダーメードタイプ
② 型番の決まった既製ポストタイプ
があります
神経を取った歯です、ポスト&コアが必要なケース
歯形をとって模型の上で金属ポスト&コアを作ります
完成した金属をセメントで接着させます
これが オーダーメードタイプです
ファイバーポストを使ったケース
このケースではラバーダムをしました
根の中にポストをたててセメントで接着します
その上にコアを築造します
これが既成ポストタイプです
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神経を取った歯にクラウンを被せる時は
歯を筒状に削って仕上げます
歯ぐきより上に出ている健康な象牙質が少ない場合
ポストを利用してコアを作ります
さてポストは 型を取って金属を鋳造する オーダーメードタイプ
型番の決まった既製ポストタイプ
があります
既製ポストには 金属タイプ と非金属タイプがあります
どれがいいのでしょうか・・・?
ポスト&コアがどれくらい長持ちするのか調べた研究があります
2007年に発表されたオランダの研究は 質の高い調査をしていますが
鋳造ポストと既製の金属ポスト、ポストなし で比べています
1988年から1991年に装着したポスト&コアをなんと17年後まで経過を見ています
途中で来なくなる人もいますが10年後でも81%の歯をチェックしています!
結果は・・・
フェルール効果が期待できる歯は・・・
材料にかかわらず長持ちする
フェルール効果が期待できない歯では・・・
フェルール効果の期待できる歯よりも長持ちしない
そして鋳造ポストの方が長持ちするように見えるが統計的には差があるとはいえない
ということでした
この研究の頃にはまだあまり使用されておりませんでしたが
最近ではグラスファイバーのポストが良く使われます
なぜかというと・・・
このポストの硬さが象牙質の硬さと似ているため
歯根破折が起き難いと考えられていること
白いレジンコアはオールセラミッククラウンをきれいに仕上げることができること
といった利点があるからです
また、鋳造ポストに比べて手間がかかりません
しかし、グラスファイバーポストは新しい材料で
まだ長期的(10年以上)に安定しているかを調べた質の高い研究がありませんので
長い間使用していくとどうなるかということは誰も知りません
さて では、どんな材料がいいのでしょうか?
特にこれが優れている!と言える 突出した材料はないようです
現在どれが優れているかははっきりといえませんが
大事なのは術者(歯医者)が慣れている方法が より良い ということです
作業工程を一つ一つしっかり行なうことのほうが大事ですですから
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大きなむし歯で歯がだいぶなくなってしまったら・・・
ポスト&コアを立て クラウンを被せて 歯をつくることができます
長持ちする歯(クラウン)をつくるには
しっかりした根っこが必要です
しっかりした根っことは…
歯ぐきの上に丈夫な硬い象牙質が最低でも2-3mmは出ている歯のことです
(例えば、上の写真の大きく崩壊しているむし歯)
そうした歯は フェルール効果が期待できますので
クラウンが安定するのです
それでは根っこがしっかりしていない場合どうするのでしょうか
歯ぐきの上に歯がほとんど出ていません
こんな場合・・・
1 長持ちしなくても何とかクラウンを被せて持たせるところまで使う
2 あきらめて抜歯をする → ブリッジ や インプラント その他 の処置を検討
3 歯を引っ張り出して歯ぐきの上に健康な歯の部分を出す → クラウンを被せる
4 骨を削って歯ぐきを下げて健康な歯の部分を出す → クラウンを被せる
5 何もしない
などが考えられます
3 の引っ張り出すとはどういうことかといいますと
歯列矯正の器具などを使って歯を持ち上げてくるのです
歯に上にワイヤーを持ってきて 歯とワイヤーをゴムでつなぎ
ゴムが縮む力を利用して歯を上のほうに引っ張ってきます
↓
↓ (約 1ヶ月)
↓
↓
あまり短い根っこの場合は無理ですが
骨の中にしっかりした歯が残っていれば
こうした方法を使えば
より安定した歯(クラウン)ができます
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Author:atsu
2004年に長野県に引っ越してきました
たまにアイスホッケーとかテニスとかしています
最近は筋トレとゆるいランに変わってきました