健康な歯で一生を過ごすことは可能ですが
もし むし歯を発見したら…
まずはそのむし歯がどんなむし歯なのか …
なぜできてしまったのか…
よく調べる必要があります
プラークコントロールできないむし歯はそのままでは進行をとめることが困難です
いわゆる"削って詰める"という手段をとる場合もあります
左下の奥歯の間と咬み合せの面にむし歯があります
深い穴があいてしまったらはプラークコントロールがむずかしい・・・
そこをきれいに磨くことは無理でしょう
こういう穴はふさぐべきです
むし歯をとっている途中・・・
ラバーダムというゴムのシートを使いました
これはいろいろと便利な器具です
レジンという材料をつめました
これで磨きやすくなりました
見た目も自然な感じに仕上がりました
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☆ 長野県 佐久市 歯科 ☆
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ラテックスのシートに穴を開けて
そこにクランプという器具をつけます
この穴から治療する歯を顔出しさせて治療します
例えば・・・
前歯につけた場合
臼歯につけた場合
お子さんには、歯にレインコートをかけるね、とか
シャンプーハットをつけるね、と表現してます
このようにすると
消毒液や水、器具などが口の中へ行かない
唾液や吐息を遮断することができる
などのメリットがあります
特に神経を取ったり、感染した根の中を治療する時には
ばい菌が治療中の根の中に入らないようにすることが非常に大事です
そのためにはばい菌の潜んでいる唾液をシャットアウトし
強い消毒薬で歯の周りのばい菌をやっつけたりすることが望ましいです
こんな時は ラバーダム は大変有効ですが これでやっと準備完了
これから根の中の治療にはいれます
根の治療は大変です
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むし歯が進行していくと・・・
いわゆる神経まで感染してしまうことがあります
症状としては
・大きな穴があいてくる
・冷たいものが 強く 長い間 しみるようになってくる
などが現れてきます
さらに進むと
・熱いものがしみる
・歯に触ると痛む
・何もしなくてもずっと痛む
などの症状も出てくることがあります
俗に言う 神経を取る といった処置が必要になってきます
左上の奥がズキズキ痛む方がいらっしゃいました
金属の装着してある歯は、冷たいものがかなりしみます
X線でよく見ると金属の左側に黒い影があります
局所麻酔をして
金属を取り除いてみると・・・
中は大きなむし歯になっていました
ラバーダムをして・・・
むし歯の部分を注意深く取り除いていくと・・・
神経の部分まで悪くなっていて 出血してきました
中が悪くなっているので いわゆる 神経を取る という処置を行ないます
消毒をして中の悪くなった神経をきれいにとっていきます・・・
この時マイクロスコープはかなり頼もしい味方です
神経の入っている管の状態がよーくわかります
神経を取ったうちの2つの穴が見ええています
神経を取って空洞になった部分は封鎖してばい菌が入らないようにします
封鎖した材料はX線で歯根の中に白く写っています
ぴったり入っていることを確認します
これで根の治療が了ですが
神経を取った歯は普通の歯と感覚が違います
痛くなく咬めるので歯が割れやすいです
場合によっては歯を筒状に削って クラウンという被せ物をする場合もあります
このように進行したむし歯は処置が複雑で回数もかかります
また、神経を取ると先に述べたように割れやすい傾向にあります
こういった大きなむし歯にはしないようにする のがいちばんいいことだとは思います・・
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歯の神経がだめになったまま放っておくと…
神経が腐って、歯の周りの骨が膿んでくることがあります
この場合 ・咬むと痛い
・何にもしていなくてもズキズキ痛む
・歯の根元の部分を触ると違和感がある、あるいは痛い
・歯の根元の部分が腫れる
・歯の根元の部分から膿が出てくる
と いうような症状が1つ、あるいは2つ以上組み合わさって出ることがあります
そして X線写真を撮影してみると 歯の根元に黒い影が写っていることがあります
これは下顎の前歯のX線写真です
歯の根元のあたりが腫れて傷む といった症状がありました
一本の歯の根元に黒い丸い影が見えます
これは神経の部分が腐ってしまい
周りの骨が炎症を起こしてしまったのです
黒い影の部分は骨が無くなって膿が溜まっています
このような神経の根っこを 感染根管 といいます
こうなった原因はむし歯や歯の脱臼、歯が割れた などが考えられますが
このケースは昔 歯をぶつけて脱臼してしまったようです
脱臼した場合 歯の神経が周りの組織から断裂してしまい
そのままだめになってしまうことが多いです
こうした場合は腐った神経を取り除きます
神経を取る治療と方法は同じです
ラバーダムを装着しマイクロスコープで見ながら神経の中をきれいにします
ラバーダムにより、治療中にばい菌が神経の中に入ることを防ぎます
神経の入っていた管をきれいにした後は材料で封鎖します
材料で封鎖 (根管充填といいます) した時のX線写真です
神経の中がきれいな状態になっていたら黒い影は徐々に消えていきます
さて 一ヵ月後のX線写真です
歯の根元の黒い影がなくなりました
この影が消えるまでの時間は
ケースによって半年後から4年後にまでなることがあります
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一度神経を取った歯が痛くなる…
神経を取ったから歯は痛くないはずだし???
おかしーなー? と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが
ありえることでし、実際そういうケースに出会います
根の治療をした歯でも
神経を取った根の中(根管)にばい菌が繁殖すると
そのばい菌のせいで歯の根元の骨が炎症を起こします
膿んだり腫れたりすることもあります
歯自体は痛みを発することはありませんが
歯の周りの骨の炎症により痛みの信号がだされます
この場合は詰めたものをとってもう一度根管治療をします
ラバーダムは 感染のコントロールに かなり有効です
左下奥歯に痛みが出たケースを紹介します
ズキズキと痛み 咬むこともできません
根元のあたりが腫れて膿が出てきていました
根の先の周囲に黒い影ができています
白く写っているのは詰めている人工物ですが
根の途中までしか詰まっておらず、その先は隙間があります
おそらく奥(右側)の根の中にばい菌が繁殖してしまい
そのせいで骨が膿まで出すような炎症を起こしてしまったのでしょう
前に詰めたものをとる作業に入ります
もともと外すつもりは無く… というより外れないように詰めてあるので
詰め物の取り外し作業は大変です…
中の消毒がうまくいくときれいに症状がなくなります
この場合も 痛みや腫れは取れました
左は2本、右側に1本の根管がありましたが
隙間無く根管が封鎖されました
海外には歯の神経の治療だけをする専門医がいます
その海外で再治療の成功率を調べた研究があります
56%-88%とさまざまですが 大体4本中3本は治るであろうと予測しています
現在はマイクロスコープの使用により
もう少し成功率が上がると予想されます(海外の専門医のお話です)
しかし最初の根の治療より再治療の方が成功率は下がるようです
根の先の影は消えて無くなりました
4年くらいは影が消えないこともあるようなので
注意して判定する必要があります
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Author:atsu
2004年に長野県に引っ越してきました
たまにアイスホッケーとかテニスとかしています
最近は筋トレとゆるいランに変わってきました