歯の散歩道

アイスホッケーでの事故の例

プレー中に転倒して後頭部をぶつけました
ヘルメットをしていたので大事には至りませんでしたが、
転んだ拍子に舌を咬んでしまったようです

上顎の歯が舌を咬み開いてしまいました
左右に幅４ｃｍ深さ5㎜ほどの咬み傷ができました

この時はマウスガードをしていなかったため、
このような事故が起きてしまいました 

痛そうな写真ですが、
マウスガードの有効性
怪我の怖さを知ってもらうために載せました

  
傷口はすっぱりと切れているので戻りはいいです
よく洗浄して縫合します
   縫合終了時

糸をつけているとかなりしゃべりにくかったようです
英語を話す方なのですが、
日本語に比べて英語の発音はかなり舌を使うので、
しゃべるのがかなり困難だったとのことです
今回初めて気が付きました
日本語はあまり舌を使わずにしゃべることができます
１週間後に抜糸予定でしたが、
傷口の付き具合もいいことなので、
予定を早めて抜糸
すごく楽になったとのことでした


 
抜糸後１週間経過時点の写真
もうすっかり良くなりました
全治１０日間ぐらいというところでしょうか


マウスガードはしていたほうがいいですね




  

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口の中のけがで多いのが、
顔を強くぶつけて歯がぐらぐらになってしまうこと

歯の根っこ（=歯根）は顎の骨の中にしっかりと植わっていますが、
強い衝撃によってその骨から飛び出してしまいます

手や足の関節が外れてしまうことを脱臼といいますが、
歯の場合も脱臼と言っています
なかには完全に歯が抜け出てしまう場合もあります

 
転んで前歯を床にぶつけてしまった小学生
（泣きながらの来院・・・）
左側の上の前歯がぐらぐらしています




この場合は元あったと思われる位置に歯を戻して固定します
そしてこのまましばらく様子を見ます


 
たいていは固定してしばらくすると痛みはなくなってきます


 
3週間後に固定したワイヤーをはずしました
ぐらぐらはおさまっています
しっかり感でも痛みもありませんでした
これでしばらく様子を見ます

脱臼した歯は神経がダメになってしまうことが多いです
神経の反応があるか定期的にチェックをしていく必要があります
 

 
3年半経過したところです
ここまで問題なくきましたが、
レントゲン検査をしてみると、
神経の入っている根管の形が微妙に変化していることがわかりました
引き続き経過を追っていくことが望ましい

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前歯は転んだりぶつかったりした時に

割れたり欠けたりすることが珍しくありません

 

小学生の男の子

前歯をぶつけて一部大きく欠けてしまいました

 

幸い神経まで影響はないようです

もし　神経の部分まで割れてしまったら

いわゆる 神経を取る といった治療をする確立が非常に高くなります

(大人の場合はまず神経を取るものだと覚悟しておいたほうがいいです)

 

神経が無事の場合は欠けた部分を直します

欠けた大きさにもよりますが

　①　研磨して滑らかにする　(ほんのわずかに欠けた場合）

　②　レジン充填をする　　　　(ほんのわずか～大きく欠けた場合)

　③　ラミネートベニアを貼り付ける　(中程度に欠けた場合)

　④　クラウンを被せる　(大きく欠けた場合)

などの方法が考えられます

 

 

今回はレジン充填を行いました

  

レジンはラミネートベニアやセラミッククラウンより

簡単で費用も安いといった魅力がありますが

 

今回のように裏側まで大きく割れた場合は

色の再現が難しいです

また穴の中に詰め込むのではなく

欠けた比較的平らな面に接着させただけですので

また同じような力がかかると欠けやすいといった欠点もあります

 

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  前歯は比較的怪我をしやすい場所です
何かにぶつかり歯が折れたり、
脱臼と言って歯が骨からずれたりすることがあります

脱臼した歯は適切な処置によってふたたび骨にしっかりおさまります
また使えるようになるのですが、
完成した大人の歯(永久歯）は一度大きく脱臼すると、
歯髄（＝いわゆる歯の神経と言われているもの）が悪くなることがほとんどです
歯が衝撃によって動いたときに、歯の神経が断裂してしまうのです
乳歯やまだ歯根が完成していない若い永久歯などは断裂した神経が復活することもありますが、
歯根が出来上がった永久歯の場合はまず復活しません

そのまま放置しておくといろいろと問題が起こってきます 

―歯の変色―

　
向かって右上の前歯がグレーに変色しています
前歯がぶつかったのですがそのままにしていたら、
だんだん色が変わってきたようです
痛みはありませんが、
中の神経がダメになってしまったようです
時間の経過とともに変色度合いはどんどん強くなってきます



―歯髄腔閉塞(神経の管がほそくなる）―

　
歯髄腔とは歯の中央にある神経が入っている場所です
X線写真では歯のエナメル質や象牙質、骨などは白く写りますが、
歯髄腔は黒く写ります
上の写真の黄色い部分です


　　　  　　　　　　　　

ぶつけて前歯がぐらぐらになったケースです
真ん中の歯(中切歯）、向かって左側がぐらぐらになった歯です
4枚X線写真を並べましたが、
一番左がぶつけた時の写真(当時小学生）
二番目が固定が終わって歯のぐらぐらがおさまった時の写真
三番目が約1年後の写真です
　右側の前歯に比べて神経の管が細くなってきました 
一番右の写真は約4年後の写真です
　他の歯に比べて明らかに歯髄腔が細くなってしまいました


―歯根吸収―

　
向かって右側の真ん中の前歯（中切歯）をぶつけてぐらぐらになったケース

  　　 
左のX線写真は固定が取れたところ、
右のX線写真は約1年後

右側の歯の歯根が丸く短くなっています 


どれも脱臼後に歯の神経が壊死といってダメになった結果です
神経が断裂したとわかった場合は根管治療をする必要があります
痛くないし歯もしっかりしたので放置される(治療中断される）方が多いのですが、
しっかりと適切な処置をしないといろいろなトラブルが起きてきます





 

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スポーツ中の歯の怪我は前歯に多いですが、
奥歯に衝撃が来る場合もあります

 
これは上顎、奥歯の写真です
一番右の歯が欠けてしまって来院

わかりますでしょうか、結構大きくかけています

サッカー中の接触プレーで起きた事故です
相手選手の頭が左顎の下に入って突き上げたので、
左上下の奥歯が強くぶつかり、
その結果歯の一部が欠けてしまったようです

割れた部分は歯ぐきの中にまで及んでいます
歯ぐきより外側の部分は簡単に修復処置ができますが、
歯ぐきの中の割れた部分に詰め物をするのは困難です


サッカーやバスケットなどは意外と顔の部分がぶつかることが多いように思えますが、
これらの競技ではマウスガードをつける習慣はありません

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