むし歯や歯周病は世間ではよく見られる病気ですが、
世界中でいったいどのくらいの人が罹っているのでしょうか?
ということを調べた研究がありまた
Global epidemiology of dental caries and severe periodontitis
- a comprehensive review
Frencken JE et. al. 2017

むし歯と重症の歯周炎の世界的な疫学研究ですが、
いろいろな文献を調べて現在の状況を調査したものです
このなかで使われている情報源は、2010年に行われた世界の疾病負担研究で、
GBD(Global Burden of Disease study) 2010というものです
世界中でおきている病気に関して、信頼できる世界規模の調査の一つです
いろいろな病気の中で、永久歯のむし歯は世界で最も普及している病気でした
およそ24億人の人が影響を受けているようです
(2010年当時の世界人口はおよそ70億人)
一方重症の歯周炎は世界で6番目に多く見られる病気のようで、
世界の人々のうちのおよそ11%、7億4千万人(15才以上)の人が影響をうけているようです
ここでの重症の歯周炎とは、
歯周病のなかでも歯周ポケットが6mm以上ある状態を指します
地域によって重度歯周炎患者の割合には差があるようで、
オセアニア地域が最も少なく4.5%
一番多かったのが南ラテンアメリカで20.4%となっております
下の図は重度歯周炎の割合を地域別に示した図です
縦軸が重度歯周炎患者の割合(%)横軸に各地域が並べてあります

北アメリカや太平洋側のアジア高所得国は7-8%といったところでしょうか
重度歯周炎の発症率は年齢が上がるにつれて右肩上がりに増えていきますが、
30−40才代で急激に上がります(ピークは38才)
GBDは1990年に最初に行われて、2010年が2回目です
この20年間で永久歯のむし歯は世界的に減少傾向にあるようですが、
歯周炎に関して状況はほとんど変わっていないようです
(一部の地域では改善されてきているという報告もあるようですが)
むし歯の予防(砂糖制限、フッ化物、歯みがき)は効果が出ているようですが、
歯周炎については今後の対応が注目されるところです
-----------------------------------------------------
☆ 長野県 佐久市 歯科 ☆
木本歯科オフィシャルサイト はこちら
-----------------------------------------------------