食物を食べる様子をよーく観察すると
口は複雑な動きをしていることがわかります
口のなかに食べ物を運んできて、こぼれないように唇で調節して、
舌は絶妙な動きで食べ物の塊を食べやすい位置に調節して、
飲み込むときは喉の奥へと運んでいきます
下顎は前方や左右に動いて咬みやすい位置で食塊を切ったりつぶしたりします。
(顎の動き=下顎の動きです:上顎は頭蓋骨と一緒にくっついていますので)
さて、食事中に上顎の歯と下顎の歯が接触している時間は意外と少ないものです
食べ物を上下の歯ではさんでいる間は触っていません
リズミカルに下顎を動かしていますが、
接触している時間はちょっとだけ
一日の食事で上下の歯が接触する時間は10分とか20分とかいわれています
(計った人がいるようです)
よく咬む力が強い人は奥歯がすり減るとか、歯がぼろぼろになるとかいわれますが、
食事中のこの短時間だけではそんなに歯が減るとは思えません
食事以外では顎はどうなっているのでしょうか
リラックスしているときは顎の筋肉の緊張もなくなりますので、
下顎は少しさがります
筋肉の緊張がなければ唇を閉じていても上下の歯は離れるわけです
ところが、同じようにリラックスしているときでも、
上下の歯がどこかで接触している人も結構いるようです
おそらく小さいときからそういう習慣のある人は、
それがあたりまえになっているので別に気にすることもありません
しかし、歯には結構なストレスがかかっているようです
毎日長い時間上下の歯が接触していると、
いろいろな弊害がでてくるようです
安静にしたこの状態で上下の歯が接触している傾向を、
歯牙接触癖(Tooth contact habit : TCH)といいます
上下の歯が接触していることによる弊害は以前より言われていたことですが、
最近、東京医科歯科大学で詳しく研究されて、
TCHという用語も使われるようになりました
TCHは自覚なく行われることが多いですが、
安静にしていても顎の筋肉が緊張し、
顎関節や歯にかなりのストレスがかかるようです
顎関節症はいろいろな要因が重なり合って発症すると考えられていますが、
TCHは主な要因の一つと考えられています
TCHを改善することもできますから、
これによって顎関節症が楽になるケースが結構あります
-----------------------------------------------------
☆ 長野県 佐久市 歯科 ☆
木本歯科オフィシャルサイト はこちら
-----------------------------------------------------