白くて甘い宝石 砂糖
最初に口にしたときは
きっと誰もが驚きとうれしさを感じたに違いないこの物質は
世に生まれ出てからさまざまな光と影を多くの人に投げかけてきました
砂糖が背負ってきた歴史・・・
紅茶に入れる一杯の砂糖
砂糖は砂糖きび、カエデ、ビートなどが原材料ですが
現在多くは、そして古くは砂糖きびから作られました
砂糖きびの原生地はおそらくインドネシアのどこかだろうといわれていますが
いずれにしろ熱帯や亜熱帯に生息します
そして砂糖きびがら砂糖を作り出すには
重労働であるばかりか、規則正しい集団労働が必要でした
ヨーロッパの人たちがこの魅惑的な白い物質に出合った時
ここで奴隷が大量に望まれるようになったのでした・・・
砂糖は誰もがほしがりました
作れば作るほど売れます
カリブ海に浮かぶきれいな島々
この島一つ一つを巨大なプランテーションという工場に作り替え
アフリカ西海岸より手に入れた奴隷を大量に送り込みます
そこで砂糖が大量に作られるようになりました
イギリスでは・・・
遠くアジアでとれるお茶、カリブ海で作られた砂糖などは貴重品でした
ですから、これらは上流階級の人たちが楽しむためのものでした
そしてお茶に砂糖を入れることを考えたのもこの人たちでした
貴重な高級品をブレンドするということはとても贅沢なことで
こんなことができるということは お金持ちの証でもあったのです
そんなわけで お茶に砂糖を入れることが流行りだしました
そして、お茶と砂糖の流行は上流階級だけにとどまりませんでした
中流階級の人々がまねしだしたからです
中流階級の人たちは上流階級の人たちをまねするのが好きな人が多かったようです
こうして砂糖の需要が増え・・・
砂糖を増産するために
そして消耗した分を補充するため
奴隷はさらに必要になってきます
アフリカからどんどん人々が奴隷として連れ去られ
カリブの工場へ送られます
奴隷の労力で莫大な富を築いた人たちもいる一方で
奴隷とは別に もともと島に住んでいた先住民の中には
消滅してしまった民族もいます
甘くて脳に栄養をたっぷり与えてくれる砂糖は
一握りの人を幸せにする一方で
それを作り出すために
多くの 多くの人が犠牲になったのでした
たぶん私には想像することもできないほど残酷なことが
長い間続いていたのでしょう
「砂糖のあるところ 奴隷あり」
砂糖の世界史(岩波ジュニア新書 276)
川北 稔著 より
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Author:atsu
2004年に長野県に引っ越してきました
たまにアイスホッケーとかテニスとかしています
最近は筋トレとゆるいランに変わってきました